「腸に良い」「免疫を支える」といった価値を伝えるには、原料や菌株、摂取量、対象者、試験条件を整理し、商品に対応する根拠を蓄積します。
「腸に良い」「免疫を支える」といった価値を伝えるには、原料や菌株、摂取量、対象者、試験条件を整理し、商品に対応する根拠を蓄積します。
研究結果をそのまま広告表現に置き換えるのではなく、その研究が自社商品に当てはまるかを確認します。菌株が同じでも、摂取量、摂取期間、対象者の年齢や健康状態、併用食品が異なれば、結論をそのまま適用することはできません。
| 照合項目 | 確認すること | ずれている場合の扱い |
|---|---|---|
| 菌株・原料 | 研究で使われた菌株番号と自社使用菌株が一致するか | 属レベルの一致では根拠にならない |
| 摂取量 | 研究の1日摂取量を自社商品で満たせるか | 満たせない場合は当該根拠を使えない |
| 摂取期間 | 効果が確認された期間と、想定する継続期間 | 短期間の使用を前提とした訴求はできない |
| 対象者 | 年齢層、健康状態、基礎疾患の有無 | 対象が異なる場合は適用範囲を限定する |
| 評価指標 | 何が改善したと報告されているか | 指標を拡大解釈した表現はできない |
| 研究の質 | 査読の有無、対照群、被験者数、資金提供元 | 質が低い研究は届出の根拠として不十分 |
健康に関する機能を表示する場合、制度上の枠組みを選ぶ必要があります。制度を使わずに機能を訴求すると、健康増進法や景品表示法の観点で問題になる可能性があります。
| 制度 | 求められる根拠 | 手続き | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 特定保健用食品(トクホ) | 個別の臨床試験、国の審査 | 消費者庁の許可が必要。期間・費用とも大きい | 主力商品として長期に展開する場合 |
| 機能性表示食品 | 臨床試験または研究レビュー | 事業者の責任で届出。受理後に販売可能 | 根拠を用意でき、機能を明示したい場合 |
| 栄養機能食品 | 定められた成分と含有量の基準 | 基準を満たせば届出不要 | ビタミン・ミネラルの補給を訴求する場合 |
| 一般食品 | 機能性の表示は不可 | 手続き不要 | 味・原料・製法・食文化で訴求する場合 |
機能性表示食品では、届出、科学的根拠、品質管理、表示内容、販売後の情報提供を一貫させることが重要です。届出が受理されることがゴールではなく、届出内容と実際の製造・表示・広告が一致し続けている状態を維持する必要があります。
プロバイオティクス、プレバイオティクス、ポストバイオティクスは作用や扱いが異なるため、用語を正確に使い、消費者が過度な期待を抱かない説明にします。用語の混同は、それ自体が誤認を招く表示になり得ます。
| 用語 | 指すもの | 表示上の留意点 |
|---|---|---|
| プロバイオティクス | 生きた微生物で、適量摂取により有益な作用をもたらすもの | 生菌数の表示根拠と賞味期限末期での保証が必要 |
| プレバイオティクス | 有用菌の増殖・活性を促す難消化性の成分 | 「菌が入っている」との誤認を招く表現を避ける |
| シンバイオティクス | プロバイオティクスとプレバイオティクスの組み合わせ | 組み合わせによる上乗せ効果は別途根拠が必要 |
| ポストバイオティクス | 菌体成分や代謝産物など、生菌でないもの | 生菌訴求と混同しない。生残性の課題がない点は利点 |
| 短鎖脂肪酸 | 腸内細菌が食物繊維から産生する代謝産物 | 体内での産生量は個人差が大きく、断定表現を避ける |
食品として許される表示と、医療的な誤認を招く表現を区別します。商品パッケージだけでなく、Webサイト、SNS、店頭POP、インフルエンサーの投稿、顧客の体験談の掲載方法まで、すべてが広告として扱われます。
社内では、販促物の作成フローに表示チェックの工程を組み込むことが有効です。チェックする人と作る人を分け、根拠台帳と照合する手順を明文化してください。
機能性表示食品では、販売後も情報提供の責任が続きます。健康被害の情報を受け付ける体制、届出内容の変更手続き、新たな科学的知見が出た場合の対応を定めておきます。